
耐震性能、部屋の間取り、キッチンの設備に、収納……。家を建てるときに考慮すべきことはたくさんありますが、つい見落としがちなのが家の「温熱環境(あたたかさ、涼しさ)」。家を建てたタイミングでは、温熱環境の知識がなかった、という方も……。
今の住まいの温熱環境(あたたかさ・涼しさ)に対する満足度を調査した「第2回 住まいの温熱環境の実態と満足度調査」から、家の温熱環境に対する意識についてみてみましょう。
住まいの温熱環境(あたたかさ・涼しさ)への満足度は低い
皆さんは住まいに満足していますか。では、住まいの温熱環境(あたたかさ、涼しさ)にはどのくらい満足されていますか。
調査結果を見てみると、住まいを総合的に満足している人(たいへん満足、やや満足)の割合は、52.7%と、半数以上の方が住まいに満足している一方で、「温熱環境(あたたかさ、涼しさ)」に満足している人の割合は32.6%と、住まいに総合的に満足している人の割合よりも約20%も低いことがわかりました。
知識がなかったから、温熱環境のいい家にできなかった
では、住まいの温熱環境に満足していない人は、なぜ温熱環境のいい家にしなかったのでしょうか。
住まいの温熱環境に満足していない人(「やや不満」「大変不満」「どちらとも言えない」回答者)に対して、温熱環境のいい家にできなかった、購入しなかった理由を聞きました。
そのうち、比較的新しいお住まいに暮らしている築10年以内の方が「温熱環境のいい家にできなかった、購入しなかった理由」としてあげたのは、「温熱環境のいい家について知らなかったから」「重視していなかったから」が多く、それぞれ30%を超えています。
同じく、20代、30代でもその割合は比較的高く、「温熱環境のいい家について知らなかったから」がそれぞれ30%を超えています。
知らなかったこと、意識や知識がなかったことが、温熱環境(あたたかさ、涼しさ)のいい家にできなかったという理由のようです。後悔することがないようにするためにも、知識をもつことは大切だということですね。
温熱環境(あたたかさ、涼しさ)が良いことによるメリットはイメージできている
一方で、温熱環境のいい住まいのメリットをイメージできる人は多くいることがわかりました。
「住まいの温熱環境が良ければ家族の気持ちや身体に良い影響がある」に共感する人(当てはまる+やや当てはまる)が全体で68.2%に上り、特に女性では76.9%と高い割合でした。また、「温熱環境が良くなると行動量が増えると思う」も、女性が59.6%と高い割合となっていました。
温熱環境がよくなれば気持ちや体、行動にも良い影響があるだろうと、メリットをイメージできている方が多いということがわかりました。
住まいづくりの際には、温熱環境をチェックリストに加えよう
最近は温熱環境に配慮した家が増えてきています。しかし、温熱環境に満足していない人のうち、築10年以内の比較的新しい家にお住まいの方でも、建築時に温熱環境のいい家を知らなかった・重視していなかった人が約7割にのぼることが調査結果から明らかになりました。
一方で、温熱環境がよければ、より快適な生活になるとイメージできている方が多いということもわかりました。
家を建てる時に、きちんとした知識や意識があれば、もっと多くの方が温熱環境のいい住まいを選ぶことができ、住まいの暑さや寒さに後悔する人が少なくなっていたのかもしれません。これから家を建てる方は、ぜひ温熱環境、温熱性能をチェック項目にして、優先順位を高くしてみてください。
本WEBサイトの他のページでも温熱環境の良い住まいのつくり方の知識や、温熱環境が良い住まいのメリットについてご紹介していますので、ぜひご覧ください。
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家づくり知識
参考:旭化成建材快適空間研究所「第2回「住まいの温熱環境の実態と満足度」調査について