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自宅の空気のきれいさ、換気への関心が高まる。しかし、24時間換気の法律を知っている人は約3割

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自宅の空気のきれいさ、換気への関心が高まる。しかし、24時間換気の法律を知っている人は約3割

新型コロナウイルス感染拡大につながる“3密”(密閉・密集・密接)のうち、「密閉」を回避する手段として、室内の「換気」の重要性が改めて注目されています。ご自宅の「換気」や「空気のきれいさ」について、皆さんの意識に変化はありましたか?また換気の知識は十分ありますか?

快適空間研究所では、「住宅内の空気・換気に関する意識と実態」について調査を行いました。人々の換気についての意識や新型コロナウイルスの感染拡大前と比較した変化について紹介します。

冬の室内環境で最も大切にしていることは?

皆さんは、冬、自宅で過ごすときに、以下のうちどれを最も大切に考えていますか?

  • 温度を暖かく保つこと
  • 空気のきれいさ
  • 湿度を適度に保つこと
  • 電気代

調査結果では、「室内の温度を暖かく保つとこと」を最も大切にしていたと回答した人が多く、26.9%でした。冬なので、やはり部屋の暖かさを1番に考えていた方が多かったようですが、ほぼ同じ割合で2番目に多かったのは「室内の空気のきれいさ」(26.2%)でした。この次に紹介する調査結果から、これは新型コロナウイルスの影響があることがうかがえます。

新型コロナウイルス感染拡大前よりも「室内の空気のきれいさ」への関心が高まった人が半数以上

新型コロナウイルス感染拡大前と比べて、自宅の「室内の空気のきれいさ」や「室内の換気」への意識は変化しているでしょうか?

新型コロナウイルス感染拡大前と比べて、「自宅の室内の空気のきれいさ」への関心が高まった割合(「とても高まった」「どちらかといえば高まった」合計)は54.9%、同様に「室内の換気」については57.0%でした。この結果から、新型コロナウイルス感染拡大後に、自宅の空気や換気への意識が高まった人が半数以上いることがわかりました。

一方で、換気への意識が「以前と変わらない」という人は、43.2%となりました。不特定多数の人が集まる場所と違って、いつも一緒の家族と過ごす住宅だからなのか、もともと換気を十分にしていたのか、理由は様々推測できますが、換気への意識が変化しなかった人もいることがわかりました。

新型コロナウイルス感染拡大前と比べて、あなたの家の室内の空気のきれいさへの関心は高まりましたか。

     

新型コロナウイルス感染拡大前と比べて、あなたの家の室内の換気への関心は高まりましたか。

換気の法律について知らない人は、築10年以内の家に住んでいる人でも48.5%と約半数を占める

快適な温熱環境を実現するには、「断熱」「気密」「換気」などの要素が必要ですが、その要素の一つである「換気」について皆さんは十分な知識はありますか?

換気についての知識を問うために、24時間換気システムに関する法律を知っているかどうかについて調査してみました。これは、2003年7月以降に着工された住宅には、シックハウス対策の一環として、24時間換気システムを設置し、2時間で家の中の空気が入れ替わる量の換気をすることを義務づけるという法律(*1)です。

その結果、「24時間換気が法律で義務付けられていること」を「聞いたこともない」「聞いたことはあるが意味は知らない」と回答した人は69.0%でした。

24時間換気が法律で義務付けられていることはご存知でしたか     

原則として24時間換気システムが設置されている築10年以内の住宅に住んでいる人でも、「聞いたこともない」「聞いたことはあるが意味は知らない」と回答した人は48.5%となり、半数近くが法律についてはご存知ないことがわかりました。ただし、「知っている」「なんとなく知っている」と回答した人は51.6%と半数以上になり、築年数が古い家にお住まいの方に比べると、認知されていることがわかりました。

24時間換気が法律で義務付けられていることはご存知でしたか  【築年数別】

*1 2003年の建築基準法の改正により、シックハウス対策の一環として、すべての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられ、住宅の場合、換気回数0.5回/h以上(2時間で家の中の空気が入れ替わる量)の機械換気設備(いわゆる24時間換気システムなど)の設置が必要となっています。
参考:国土交通省の資料
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/sickhouse.files/sickhouse_1.pdf
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/sickhouse.files/sickhouse_2.pdf

新型コロナウイルスの影響で、空気のきれいさや換気への意識が高まる

調査結果から、自宅の空気のきれいさや、室内の換気についての意識が高まった人が半数以上いる一方で、建築基準法の改正後に建築された、築10年以内の家にお住まいでも換気の法律を知らない人が半数以上いることがわかりました。

次回は、換気に関する情報収集をしたのかどうか、また、自宅の換気ができていると思っているかどうかといった認識についての調査結果をご紹介します。

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