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自宅の換気ができていると思っていない人は半数以上!換気についての情報収集は不十分?

快適な温熱環境を実現するには、「断熱」「気密」「換気」などの要素が必要ですが、その要素の一つである「換気」について皆さんはどれくらい知っていますか?換気について情報収集はされていますか?
快適空間研究所では「住宅内の空気・換気に関する意識と実態」を調査しました。この調査結果から、新型コロナウイルス感染拡大後、どれくらいの方が換気に関する情報収集をしたのか、また、自宅の換気ができていると思っているかどうかについて、ご紹介します。
換気の知識・情報について、「積極的に知識や情報を収集した」人は少ない
新型コロナウイルス感染拡大後、換気の重要性がメディアなどに取り上げられる機会が増えました。では、換気に関する知識ややり方について、情報収集する人は増えたのでしょうか?
調査結果では、「積極的に知識や情報を収集した」は7.6%に留まり、「少し知識や情報を収集した」を合わせても43.0%となりました。
さらに前回紹介した「空気のきれいさ」への関心度合い別に情報収集したかどうかをみてみましょう。空気のきれいさに関心が高まった人(「とても高まった」「どちらかといえば高まった」合計)では、知識や情報を収集した割合が58.1%で、「空気のきれいさ」への関心が「以前と変わらない」人が情報収集した割合(26.2%)に対して、2倍以上になっていました。自宅の空気への関心の差が、情報収集の差となって表れていました。
半数以上が、自宅の換気ができていないと思っている
それでは、自宅の換気ができていると思っている人はどのくらいいるのでしょうか?
「あなたの家では換気ができていると思いますか」と聞いたところ、「換気ができていると思っていない」と回答した人の割合(「どちらともいえない」「あまりできていない」「全然できていない」「よくわからない」と思う合計)は50.8%に上っていました。特に築年数が古い人で、「換気ができていると思っていない」と回答した人の割合が高くなっています。
最近では、換気ができているかどうかの目安として、二酸化炭素(CO2)濃度計を使う人もいますが、空気は目に見えないこともあり、自宅の空気がきれいなのか、換気がきちんとできているのか、換気ができていると思っていない方が半数以上いることがわかりました。
24時間換気システムを利用していると回答した割合は、築10年以内で63.4%に留まる
そして、家の換気方法についてお伺いしました。皆さんのご自宅では24時間換気システムは利用していますか?
調査結果によると、築10年以内の住宅に住んでいる人で24時間換気システムを利用していると回答した割合は63.4%でした。2003年7月以降着工の住宅には原則24時間換気システムが設置されていますが、自宅の換気システムを適切に稼働させていない人が4割近くいる可能性があります。
〈参考〉24時間換気システムとは??
住宅の高断熱・高気密化やシックハウス対策の流れを受け、2003年以降に竣工された原則すべての住宅に、1時間で家の中の半分の空気が入れ替わる量の、機械換気設備(いわゆる24時間換気システムなど)の設置が義務化されました。機械換気とは、換気扇(ファン)等の機械を使って換気する方法です。給気(入口)、排気(出ロ)をそれぞれ機械を使うか使わないかの組み合わせで、3種類あります。
こちらのページでも、室内の換気について説明をしています。
室内の換気:機械換気3種類と換気のやり方
換気の関心が高まるも、知識は不十分
調査結果から、積極的に換気の知識・情報を収集した人はわずかであり、また換気ができていると思っていない人が半数を超えていることがわかりました。換気への関心が高まっても、自宅の換気がきちんとできているか不安に感じている可能性のある人が半数以上に上っていることがわかりました。
次回は、換気に関する行動についてご紹介いたします。