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窓開け換気はうまくできても、24時間換気システムを使いこなせていない可能性が。

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窓開け換気はうまくできても、24時間換気システムを使いこなせていない可能性が。

前回までの記事で、新型コロナウイルスの感染拡大後、自宅の「空気のきれいさ」や「換気」への関心が高まっている一方で、自宅の換気について不安に思っている人が多いということをご紹介しました。

では、ご自宅で、皆さんはどのような方法で室内の換気をしていますか?今回は、窓開け換気、24時間換気システムそれぞれの行動内容について、調査結果より紹介いたします。

換気方法は「定期的に窓を開けていた」が最も多い

新型コロナウイルス感染拡大前(2020年1月~2月)と今年の冬(2021年1月~2月)の、それぞれの換気行動についてお伺いしました。

その結果、感染拡大前と今年の冬で、換気方法に大きな変化はなく、「定期的に窓を開けていた」という換気行動をしていた人が最も多く、今年の冬は48.4%となっていました。

新型コロナウイルス感染拡大前(2020年1月~2月)と今年の冬(2021年1月~2月)の換気行動の変化 (複数回答)

窓開け回数が「増えた」人は半数以上、効果的な対面2か所以上の窓開け換気を実施している人も多い

上記の設問で「定期的に、窓を開けていた」と回答した人に対して、窓開け回数が増加したか聞いたところ、「増えた」が52.7%でした。窓開けという行為自体は変わらなくても、回数を増やしている方が半数以上いることがわかりました。

[グラフ-11] 定期的に窓を開ける回数は、 新型コロナウイルス感染拡大前とくらべて増えましたか。

なお、窓開け換気をする場合、効果的に換気するには、対面する壁面にある窓を2か所開けることが推奨されています。

窓開け換気をする場合、効果的に換気するには、対面する壁面にある窓を2か所開ける
参考:旭化成建材 快適空間研究所「あたたかい暮らしのヒミツ」(エクスナレッジ)P.126-127

そこで、窓開けをしている方に対して、窓開けの方法についてお伺いしたところ、対面2か所以上の窓を開けている人は40.4%でした。効果的な窓開け換気を実践している方が多いということが考えられます。

[グラフ-12]窓開け換気をしている方は、 どのように窓を開けていますか
   

24時間換気システムを使いこなせていない人がいる

24時間換気システムを正しく利用するには、スイッチを常に入れた状態にすること、室内の汚れた空気を排出して新鮮な外気を取り込むために、換気口(排気口や給気口)を開けておくことが必要です。また、換気を効率的にするために、換気扇や換気口(排気口や給気口)のフィルターを定期的に掃除することが推奨されています。

では、24時間換気システムを利用していると回答した人の、換気行動はどうだったのでしょうか。

「24時間換気システムのスイッチを入れている」と回答した人の割合は62.4%でした。24時間換気システムを設置しているにも関わらず、スイッチを入れていない人が4割近くも存在する可能性があるという結果となりました。

さらに、「排気口や給気口を開けている」と回答した人は16.9%、「換気扇や換気口(排気口や給気口)のフィルターを定期的掃除している」と回答した人は同じく16.9%でした。

24時間換気システムが設置されている、利用しているにも関わらず、正しく利用できていない方が多数いる可能性があることがわかりました。

24時間換気システム利用者の、今年の冬の換気行動(複数回答)

室内の窓開け換気はできていても、24時間換気システムを使いこなせていない

今回の調査結果より、窓開け換気については効果的な換気ができている人が4割にのぼる一方で、24時間換気については、推奨されているやり方で使いこなせている人はごくわずかで、正しく使えていない人が多くいる可能性がうかがえました。

住まいの断熱性能や室内の温度等と同様、快適に過ごすためには、換気についても情報収集をして正しい知識を持って暮らしていくことが、良質な暮らしにつながります。

本サイトでも、「換気」に関する情報発信をしておりますので、ご覧ください。
室内の換気:機械換気3種類と換気のやり方
  

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