
家の中があたたかいと、夫婦の関係も良くなる!?
「関係あるのかな?」と思うかもしれませんが、快適空間研究所で実施した調査では、住まいの温熱環境(あたたかさ、涼しさ)が良いと、夫婦間の会話が増えたり、家事分担が進んだりする、という結果がわかりました。その因果関係についても、足利大学との共同研究から分析しました。
前の家よりあたたかいから、家事分担がスムーズになったり、夫婦関係が良くなったりしている
皆さんは、冬、家の中が寒いとき、ついイライラして気持ちの余裕がなくなってしまうなど、そんな経験はありませんか?
築10年以内のお住まいに住んでいる方のうち、前の家よりも冬あたたかくなったと回答した人たちに対して、夫婦関係や家事分担についてお伺いしました。
その結果、興味深い結果が得られました。「夫婦間の会話が増えた」と回答した割合は56.5%で、あたたかい住まいになったことで、夫婦間の会話が増えたと思っている人が半数以上にも上っていました。さらに家事分担についてもお伺いしたところ、「夫婦間・家族間の家事分担がスムーズになった」と思っている割合については、66.2%と高い数値になっていました。
この結果をさらに、あたたかさ・涼しさに影響を与える「住まいの温熱性能」(*1)の違いによって、比較してみました。
すると、住まいの温熱性能が高い人ほど、「夫婦間の会話が増えた」と回答した割合は63.2%、「夫婦間・家族間の家事分担がスムーズになった」と思っている割合は71.1%と高くなっていました。
前の家よりあたたかいと思っている人のうちでも、住まいの温熱性能が高い人ほど、夫婦間の会話が増えたり、家事分担がスムーズになったりしていると思っている、ということがわかりました。
過去に実施したあたたかい住まいへの訪問調査でも、
- 「冬、室内ドアを開けっ放しにして暮らすから家族の気配を感じながら過ごせる」
- 「家族とよく会話をするようになった」
- 「夫とケンカをあまりしなくなった」
といったコメントがありました。
住まいの中が暖かくなることで、会話が増えたり、家事分担もスムーズになったり、家族間のコミュニケーションが活発になる可能性があるようですね。
あたたかい住まいは部屋の温度差が少なくなるから、家事スムーズになる?!
温熱環境の良い住まいは、なぜ家族のコミュニケーションや家族関係に良い影響を与えているのでしょうか。
調査結果より得られたデータを詳細に分析(*)したところ、下記の図のような関係性が得られました。
“温熱性能が高い住まいに暮らす人ほど、「室内の温度」に満足し、「部屋の温度差」が少ないことにも満足していること。
そして、「部屋の温度差が少ない」ことにより、家の中で寒くて行きたくない場所が少なることで動きやすくなり、掃除・洗濯などの「家事がスムーズさへの満足」につながっていること。
そのことにより、家族間・夫婦間の「家事分担」がしやすくなり、家事分担の満足度が高まり、その結果、「家族コミュニケーションへの満足」につながっている傾向にある。”
もちろん、一緒に過ごす時間・年齢構成・性格など、様々な要因によって、家族コミュニケーションは影響を受けていることでしょう。しかし、今回の分析結果より、「住まいのあたたかさ」も、家族とのコミュニケーションの満足度に少なからず影響を与えているのではないか、ということが見えてきた結果となりました。
温熱性能の高い住まいは、他にも、日々の暮らしの行動のなかで良いことがたくさんあることや、冷暖房費を抑えることができて省エネにつながることなど、多くのメリットが分かっています。他のページでも様々なデータ等をご紹介していますので、ぜひご覧ください。
これから家づくりをご検討される方は、ぜひ、温熱性能の高い住まいを検討してみてください。他ページでも、温熱性能の高い住まいについての知識をご紹介していますので、ぜひご覧ください。
▼温熱環境が優れた住まいの詳細についてはこちら
家づくり知識
温熱性能「低」:シングルガラス、温熱性能「中」:ペアガラス、温熱性能「高」:Low-Eペアガラスまたはトリプルガラスと回答した人。
なお、この分類は、実際の住宅全体の断熱性能と高い相関があることが確認されています。