
人生100年時代。健康寿命は延び、いつまでも充実した日々を送りたいと考える人が増え、一日の中で最も長い時間を過ごす住まいで、いかに健康で快適に過ごすかを考えている方も多いと思います。さらに、コロナ禍で在宅時間が増えたことで、より快適な環境を求める方も増えているのではないでしょうか。
快適空間研究所では、住まいの温熱環境(あたたかさ、涼しさ)と住まい手の「アンチエイジング」(*1)意識・満足度について、アンケート調査を実施しました。
そこで、今回は、人々がアンチエイジングのどのようなことに興味を持っているかについて、男女別・年代別にご紹介します。
男女でアンチエイジングへの関心に大きな違いが
まず、「アンチエイジング」に関しては男性よりも女性の方が全体的に関心が高いことがわかりました。男女別に興味がある項目について調査したところ、次のような結果となりました。
【女性】
1位「肌の若々しさ」56.9%、2位「体力の維持」52.8%、3位「気持ちの若々しさ」44.3%
【男性】
1位「体力の維持」48.1%、2位「足腰の力の維持」39.6%、3位「脳の力(考える力)の維持」28.7%
女性では、肌や気持ちに関するアンチエイジングへの興味が高いのに対して、男性は見た目の若々しさよりも身体や脳に関する能力への興味が高い傾向にあるようですね。
年代が高いほど、身体能力に関する興味が高くなっている
興味がある内容として上位に挙がった項目について、年代別にみてみます。
女性では、「肌の若々しさ」については30代~60代で50%を超え、70-74歳も46.8%と半数近くになっています。「肌の若々しさ」への興味はすべての年代で高くなっていることがわかりました。一方で、「気持ちの若々しさ」については、60代以上で割合が高くなっており、年齢を重ねても、若々しい気持ちでありたいと思う方が多いことがわかります。
また、「体力の維持」、「足腰の力の維持」、「脳の力(考える力)の維持」、「認知症の予防」といった、身体や脳に関する能力への興味についても、年代が上がるほど高くなっています。
続いて、男性で年代別に見てみると、「肌の若々しさ」への興味は30代が30.3%で、最も高くなっていました。一方で、「気持ちの若々しさ」、「体力の維持」、「足腰の力の維持」、「脳の力(考える力)の維持」、「認知症の予防」など、身体や脳の能力に関する項目に興味がある割合は、年代が高くなるほど高くなっていました。
「温度・湿度の管理」を、アンチエイジングのために心掛けている人は少ない
アンチエイジングのために心掛けていることは、男女ともに「規則正しい生活・食事」が最も高くなっています。他に高い項目は「食事の栄養バランス」「適度な運動」「良質な睡眠」と続いています。仕事とボランティアを除くすべての項目において女性の方が高くなっていますね。
「規則正しい生活・食事」と比べて「部屋の温度管理」「部屋間の温度差をなくす」「部屋の湿度管理」を心掛けている人は、他の項目に比べると少なくなりました。アンチエイジングのために、室内の温度・湿度管理まで意識が及んでいる人は少数であることが分かりました。
女性がアンチエイジングで最も興味のある「肌の若々しさ」を保つには、室内の絶対湿度、相対湿度および室温が高いほど、皮膚の水分量が多くなるという既往研究の結果報告があります。また、一般的にも、保湿をすることが大切だということは知られていますね。
しかし、室内の温熱環境を整えること、つまり、「室内の温度・湿度管理」「部屋間の温度差をなくす」を、普段の生活の中で心掛けている人は少数派であることがわかりました。
次回は、住まいの温熱性能の違いによって、肌の乾燥やみずみずしさの満足度にどのような違いがあるのかについて、ご紹介していきます。
なお本調査結果については、こちらでもご紹介しています
「住まいの温熱環境(あたたかさ、涼しさ)とアンチエイジング意識・満足度」調査結果について