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温熱性能が高い住まいに暮らす女性ほど、自分の肌に満足

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温熱性能が高い住まいに暮らす女性ほど、自分の肌に満足

これから冬になるにつれて気温が下がり、肌の乾燥が気になってくる時期になりますね。

快適空間研究所では、住まいの温熱環境(あたたかさ、涼しさ)と、居住者の「アンチエイジング」意識・満足度の関係について、2020年3月にアンケート調査結果を実施しました。

今回は、住まいの環境(温熱性能の違い)と、肌の乾燥やみずみずしさへの満足度の関係について、ご紹介いたします。

「肌の状況(乾燥・みずみずしさ)」への満足度は、温熱性能が高い住まいに暮らす女性ほど高い

室内の温熱環境と女性の「肌の状況」の関係をみるため、住まいの温熱性能別(*1)に、女性の冬の「肌の状況(乾燥・みずみずしさ)」に満足している割合を比較してみます。

温熱性能が高い住まいに暮らす女性では、「肌の状況」に満足している人は87.9%と、温熱性能が低い住まいに暮らす人(60.6%)よりも、27.3%高くなっています。

冬の「肌の状況(乾燥・みずみずしさ)」に対する満足度 ≪住まいの温熱性能別≫(女性)

「肌の張り・ツヤや潤い」は良い方だと感じている割合は?!

「同年代の中で、肌の張り・ツヤや潤いは良い方だと思う」かについても、温熱性能が高い住まいに暮らす女性は、そう思う割合が75.8%と高く、温熱性能が低い住まいに暮らす人(57.4%)よりも、18.4%高くなっています。

同年代の中で、肌の張り・ツヤや潤いは良い方だと思う≪住まいの温熱性能別≫(女性)

上記の結果より、住まいの温熱性能が高いほど、肌の状況(乾燥・みずみずしさ、張り・ツヤや潤い)に満足している傾向にあることがわかりました。「室内の絶対湿度、相対湿度および室温が高いほど、皮膚の水分量が多くなる」という既往研究の調査結果と類似の傾向を示すアンケート結果といえそうです。

住まいの温度や湿度に満足(たいへん満足+満足)している人は、自身の「肌の状況(乾燥・みずみずしさ)」に満足している割合が9割を超える

次に、室内の温度や湿度に対する満足度別に、女性の冬の「肌の状況(乾燥・みずみずしさ)」に満足している割合を比較してみます。

下のグラフをみてください。「室内の温度」に「たいへん満足」と回答したすべて(100.0%)の人が、ご自身の「肌の状況」に満足し、「室内の温度」に「満足」と回答している人では、90.2%もの人が「肌の状況」に満足しています。「室内の温度」に不満と回答した人の「肌の状況」に満足している割合(46.0%)と比べると、44.2%も高くなっています。

冬の「肌の状況(乾燥・みずみずしさ)」に対する満足度 ≪室内の温度の満足度別≫(女性)
「室内の湿度」に対する満足度別でみても、同様の傾向でした。湿度に「たいへん満足」と回答したすべて(100.0%)の人が、肌の状況に満足し、「室内の湿度」に「満足」と回答している人では、92.0%が「肌の状況」に満足しています。

冬の「肌の状況(乾燥・みずみずしさ)」に対する満足度 ≪室内の湿度の満足度別≫(女性)

まとめ:室内の温熱環境が肌の満足度に大きく影響!この冬できる対策は?

今回のアンケート調査結果より、住まいの温熱性能が高い住まいほど、肌の状況(乾燥・みずみずしさ)に満足している人が多いという実態が明らかになりました。

これまで、快適空間研究所では、温熱性能の高い住まいが、居住者の暮らし(家事や活動量、空間の使い方)の質の向上につながることを伝えてきましたが、肌のみずみずしさを保つためにも、住まいの温熱性能は大事な要素と言えそうです。

これから住まいづくりを検討される方は、温熱性能の良い住まいについて、ぜひ考えてみてください。

また、この冬にできることとしては、家の中に温湿度計を置いて自分の住まいの環境をこまめにチェックし、エアコンや加湿器などを有効に利用して、快適な温熱環境となるように意識することをしてみてはいかがでしょうか。快適空間研究所では、快適な環境の目安について、冬は室温20~22℃、湿度40~70%が快適の範囲として推奨しています(参考:暑さ、寒さの感じ方と快適な室内環境)。

今後も、引き続き、住まいの温熱性能と「アンチエイジング」の関係について、明らかにするための研究を実施し、その結果や関連情報をHP上でお伝えしてまいります。

なお本調査結果については、こちらでもご紹介しています
「住まいの温熱環境(あたたかさ、涼しさ)とアンチエイジング意識・満足度」調査結果について

*1  住まいの温熱性能別:住まいのあたたかさや涼しさに影響を与える性能のことで、断熱・気密・換気・日射取得遮蔽・通風・温度湿度調整等の要素によって決まる性能。アンケートで住宅の断熱性能を回答してもらうのは難しいため、本調査では、住まいの温熱性能別の比較をするために、窓ガラスの種類について選択してもらい、その結果を分類し解析しています。
温熱性能「低」:シングルガラス、温熱性能「中」:ペアガラス、温熱性能「高」:Low-Eペアガラスまたはトリプルガラスと回答した人。
なお、この分類は、実際の住宅全体の断熱性能と高い相関があることが確認されています。

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