
新型コロナウイルス感染拡大防止のために、外出自粛や在宅勤務(リモートワーク)が増えたことで、時間の過ごし方に大きな変化が生じた方も多いと思います。
快適空間研究所では、在宅勤務をしている方を対象に、「時間の使い方の変化」および「在宅勤務と出社の希望する割合について」、2021年3月に調査(*1)を実施しました。
新型コロナウイルス感染拡大前と比較して、「仕事・家族・自分時間のバランス」に変化があったのは61.2%
在宅勤務をしている方に対して、新型コロナウイルス感染拡大前と比較して、「仕事と家族・自分時間のバランス」が変化したのか聞きました。変わった(「かなり変わった」「変わった」「少し変わった」)と回答した人は61.2%と、「仕事と家族・自分時間のバランス」に変化が生じた傾向があるようです。
在宅勤務により在宅時間が増加し、また通勤時間がなくなったことが影響して、一日の時間の使い方が大きく変化したと実感している方が多いのだろうと推察できます。
「自分が好きに使える時間」が増えた人は、66.6%
では、時間の使い方はどのように変化したのでしょうか。
まず、「自分が好きに使える時間」が増えたと思うかについて聞いたところ、増えた(「かなり増えた」「少し増えた」)と回答した割合は66.6%でした。在宅勤務により、それまでの通勤時間にかかっていた時間が自分の時間にあてられるようになったのだろうと推察できます。
また、性年代別に比較すると、女性30代が「かなり増えた」と回答している割合が最も高く27.5%に上っていました。
女性30代の「かなり増えた」と回答した人の自由回答をみてみると、
- 出社するための支度や通勤にかかる時間が減った
- 仕事の合間に家事ができるようになり余裕ができた
- 朝の子どもの支度の時間に余裕ができた
といった声が挙がっていました。通勤や支度にゆとりや余裕ができたことにより、自分時間が増えているようですね。
家族と過ごす時間が長くなり、その時間が良くなった人は半数
次に、家族と過ごす時間の変化についてみてみましょう。
新型コロナウイルス感染拡大前と比較した「家族と一緒に過ごす時間」の変化については、良くなった(「かなり良くなった」「良くなった」「まあ良くなった」)と50.6%の人が回答しています。在宅勤務により家での時間が長くなったことで、家族との時間の過ごし方も良くなっているようですね。
「新型コロナウイルス収束後は、出社もしつつ在宅勤務を半分以上に」と希望する人が増加
上記のように、在宅勤務によって、仕事・自分・家族の時間バランスが変化した方が多くいることがわかりましたが、新型コロナウイルス収束後も在宅勤務を継続したいと考えている人はどれくらいいるのでしょうか。
新型コロナウイルス収束後も週の半分以上の在宅勤務をしたい割合について、共働き夫婦の在宅勤務経験者を対象に前回調査と比較(*2)したところ、その割合は76.4%となっており、前回調査の65.6%を10.8%上回っていました。
また、その増加分のほとんどが、「在宅勤務の方を多めに」「半々くらい」したいと回答しました。「ほとんど毎日在宅勤務」したいというよりも、「出社」と「在宅勤務」のバランスを取りながら働きたいと望んでいる方が増えていることがわかりました。
2020年3月頃から急速に普及した在宅勤務ですが、約1年経過し、在宅勤務のメリットや暮らしを評価している方が増えている一方、出社のメリットも活かして、バランスよく働きたいと望んでいる方が多くいるのだろうと推察できます。
次回は、在宅勤務をしている人の、仕事や家族への気持ちの配分について、調査結果よりご紹介します。