
だんだん春が近づいてきましたが、まだ気温の低い日があります。寒暖差が激しい時期は余計に寒さが身にしみることがあります。
昼間も、家の中にいるときは毛布やひざ掛けを使い、エアコン、フットヒーターをフル稼働……。「冷え性だから」、「寒がりだから」ですませているかもしれませんが、実はそもそも部屋が寒すぎるということはないでしょうか。
快適空間研究所の調査結果より、寒い部屋に住む人とあたたかい部屋に住む人の、冬の過ごし方の違いが浮かび上がりました。
寒いはず!冬、起床時の室温が10℃以下の住まいは、3割以上
冬季の居間・食堂の起床時の室温を調査したところ、10℃以下が32.8%という結果に。朝起きた後、3割以上の人がとても寒い室内に移動しなければならない、という実情がわかります。冬の朝のストレスになりますね。

ここでは、起床時の居間・食堂の室温別に、21℃以上、16~20℃ 、11~15℃ 、10℃ 以下と分けて、起床時の室温別に温熱環境に対する満足度を比較します。
冬、あたたかい住まいの人は、満足度が高い
冬季の居間・食堂の起床時の室温21℃以上と回答した人達を見てみると、「住まいの総合満足度」の「たいへん満足」の比率は33.4%、「温熱環境の満足度」の「たいへん満足」の比率は22.1%となっており、起床時の室温が低い人よりも住まいに満足している人の割合が高くなっています。
つまり室温の高い住まいの人は、室温の低い住まいの人よりも、住まいの温熱環境についてだけではなく、住まいの総合的な満足度も高くなっているということがわかりました。
部屋があたたかければ、防寒行動が減りシンプルな生活に
皆さんは家の中で寒いと感じたとき、どのような行動をとりますか?日常生活全般において部屋で寒いと感じた時にどのような行動をとるのかについてお伺いしました。
起床時のリビング・ダイニングの室温が10℃以下の場合と、21℃以上の場合で比較をしてみると、「毛布やひざ掛けをかける」、「カーテン・雨戸を閉める」、「暖房をしている部屋のドアや間仕切りを閉める」などの行動が、21℃以上の場合は大幅に少なくなっていました。
訪問調査においても、「前の家では隣りの部屋に行くときに、上着を羽織って移動していましが、今の家(あたたかい住まい)になってからはその必要がなくなりました」という声がありました。
室温の高い(あたたかい)住まいの人の方が、わずらわしい防寒行動をしなくてもすむ傾向にあるようです。
あたたかい部屋の人は、所有している暖房器具が少ない
居間・食堂にある暖房器具ついて何を所有しているかを聞いたところ、起床時のリビング・ダイニングの室温が21℃以上の方が、10℃以下の方よりも、ほとんどの種類の暖房器具において割合が少ない傾向になっていました。特に、「石油(灯油)ファンヒーター」はその差が大きくなっています。
あたたかい住まいは、暖房器具も少なくてすむので、部屋がすっきりとシンプルに暮らせそうですね。火事の心配も減りそうです。
部屋のあたたかさは、住まいの満足度に影響する
このような結果から、冬季あたたかい住まいに暮らす人ほど、住まいの満足度が高く、防寒のための行動や防寒器具が少なくて、シンプルに暮らせている可能性が高いこと見えてきました。あたたかい住まいは、冬の日常の暮らしの質を変える可能性がありますね。最近は、コロナ禍ということもあり、自宅で過ごす時間が長くなっている方も多いと思います。温熱環境の優れた住まいであれば、防寒対策が減り快適な暮らしができそうです。
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