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室内の換気:機械換気3種類と換気のやり方

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室内の換気:機械換気3種類と換気のやり方

心地いい家をつくるために知っておきたい、住まいの熱環境について取り上げる連載です。
今回は、熱の出入りにもつながる「換気」。快適で健康的な住まいづくりに不可欠な要素です。

換気

LECTURE01 換気はなぜ必要?

新鮮できれいな空気を保つために

室内の空気は思いのほか汚れています。人の呼吸や、調理、入浴など様々な暮らしの行為によってニ酸化炭素や水蒸気、匂いなどが発生します。さらに、シックハウス症候群(建材や家具などから発生する化学物質によって引き起こされる症状)の問題もあります。こうした空気の汚れは、言うまでも無く人体に悪影響を及ぼすので、室内の空気をきれいに保つために換気が必要不可欠となるわけです。

LECTURE02 換気の方法

機械換気が義務化、その種類は3つ

換気の仕組みはいたって簡単。室内の汚れた空気と新鮮な外気を入れ替えることで、その方法には、自然換気と機械換気があります。自然換気は、機械を使わず、外からの風や空気の温度差を利用して、窓を開けることなどにより、空気を入れ替えます。

自然換気

機械換気は、換気扇(ファン)等の機械を使って換気する方法です。住宅の高断熱・高気密化やシックハウス対策の流れを受け、2003年に24時間機械換気が義務化されました。給気(入口)、排気(出ロ)をそれぞれ機械を使うか使わないかの組み合わせで、3種類あります(下図参照)。住宅では主に第1種と第3種が採用されています。

3種類の機械換気

第1種機械換気 給気と排気の両方とも、機械で行う。
第2種機械換気 給気は機械で、排気は自然排気で行う。強制給気により、室内の気圧が外よりも高くなって、自然と排気が促される。
第3種機械換気 給気は自然給気、排気は機械で行う。強制排気により、室内の気圧が外より低くなって、自然と給気が促される。

家全体の換気が必要

換気する範囲によっても2種類に分けられます。局所換気は、キッチン、浴室、トイレなどのように熱、水蒸気、臭気などが多く発生するところを局所的に換気する方法です。

全般換気は、家全体を1つの空間として換気する方法です。全般換気の代表的なものが時間機械換気で、建築基準法では、住宅内の空気が2時間ですべて入れ替わる換気が求められます。局所換気と併用して、家全体の換気を図ることが大切です。

全体換気と局所換気

LECTURE03 熱損失を抑える熱交換換気

快適で省エネにもなる

高断熱・高気密の省エネ住宅で、より快適さを得るためには、第1種機械換気の熱交換換気システムの使用が効果的です。冷暖房時、一般的な換気扇は、冬には冷たい外気を、夏には熱い外気をそのまま室内に取り入れるので、せっかく温めた(冷やした)室内の熱が奪われてしまい、室内は寒く(暑く)なってしまいます。熱交換換気機器は室温に近づけて外気を取り入れるので、冷暖房機の負荷を減らして省エネになり、室内の温度ムラも抑えられるので快適さを損ないません。

熱交換換気

*熱交換:温度の高い方から低い方へ移動する熱の性質を利用して、あたたかい熱と冷たい熱を入れ替えること。
*熱交換換気機器:熱交換をしながら換気する機器。内部には熱交換するエレメントが入っていて、そこを外気が通ったときに熱が移動して室温に近い温度になって室内に給気される。排気はその逆となる。

熱交換換気

熱交換換気装置についてもっと知りたい方は、以下をご覧ください。
▼熱交換換気装置とは
熱交換換気装置:高断熱高気密住宅に欠かせない省エネ機器

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