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断熱タイニーハウスのセルフビルド体験!ワークショップレポート

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断熱タイニーハウスのセルフビルド体験!ワークショップレポート

2018年2月13日、14日の2日間にわたって、「快適空間ラボラトリー™」(茨城県猿島郡境町)敷地内で、「住まいの断熱」と「セルフビルド」をテーマに「断熱タイニーハウス」(小屋)ワークショップを開催しました(主催:(株)エネルギーまちづくり社、後援:茨城県境町観光協会、協力:(株)新井建設工業、(株)篠原工務店、共催:旭化成建材(株))。ワークショップの様子をレポートします。

ワークショップに参加いただいた方は、建築を学ぶ学生さんやワークショップや古民家リフォームに興味のある方、施工について学びたい方など様々な方たち。とはいっても、小屋を組み立てるのは初めての方がほとんど。大工さんやスタッフに指導していただきつつ学びながら、楽しみながらのワークショップとなりました。果たして、2日間で小屋は完成したのでしょうか!?

組み立てたのは断熱タイニーハウス、無断熱タイニーハウス、移動式の断熱タイニーハウス

「断熱タイニーハウスプロジェクト(*)」の一環として開催されたこのワークショップでは、セルフビルドの楽しさを体験してもらうこととともに、断熱材の効果を知ってもらうことを目指しています。

そこで、断熱材のネオマフォームを使った小屋(3畳)を1棟、断熱材無しの小屋(3畳)を1棟、さらにトレーラーの上に載せて移動できる小さめの小屋(断熱材あり2畳)を1棟組み立てることになりました。

3つのチームにわかれて取り組みます。なお、組み立てについては、今回のイベントを主催し、セルフビルドの小屋のセットを開発したエネルギーまちづくり社の方々、及び地元境町を代表して新井建設工業、篠原工務店の大工さんに指導にあたっていただきました。木材のカットは地元の大工さんにお手伝いいただきながらの作業となりました。

1日目は小屋の大枠を作るところまで

朝9時に快適空間ラボラトリーに集合し、今回のワークショップの流れについて説明を受けます。集まった方々は、初対面の方がほとんどなので、自己紹介をし、胸に名前を書いたテープを貼って、呼びかけやすいようにしました。

作業開始前に自己紹介
ワークショップの始まりです!

作業場の養生、道具の確認、材料分けなどの準備ができたら、小屋の土台を作る重要な作業からスタートです。土台を設置できたら、床を支える大引きを入れます。小屋作りを通して、家の土台部分の基本的な構造を知ることができます。

土台を組み立てていく
土台を組み立てていく

次に柱を建てていきます。作業を始めたらじきに打ち解けて、笑顔で声をかけたり、相談しながら作業を進めていきます。

断熱材ありのチームは、床に断熱材のネオマフォームを組み込みます。断熱材を目にするのを初めての方もいて、興味深そうにネオマフォームを観察していました。

床に断熱材を入れていく
床に断熱材を入れていく
移動式の小屋のチームも床に断熱材を施工
移動式の小屋のチームも床に断熱材を施工

続いて屋根の部分を作ります。棟木を取り付けた後は、垂木を組みこんでいきます。高所の作業となり、最初は恐る恐るでしたが、徐々に慣れてきて、上と下で声を掛け合いながら進められました。

慎重に上と下で声をかけあいながら進める
慎重に上と下で声をかけあいながら進める

小屋の枠組みができたら、次は壁の取り付けです。構造用合板のサイズを確認しながらビスで打ち込んでいきます。

初日の作業はここまで!壁がついたので、かなり小屋らしくなったところで終了です。

壁板を取り付けて小屋らしくなってきた
壁板を取り付けて小屋らしくなってきた

2日目は断熱材を入れて小屋の完成まで

2日目も好天に恵まれる中、朝から作業開始です。この日も大工さんの指導をいただきながら作業を進めていきます。

断熱材ありのチームは壁や屋根に施工する断熱材の大きさを測って、断熱材をカットしていきます。サイズを間違えるとあわなくなってしまいますから、丁寧に採寸しカットをしていきます。

断熱材のサイズを確認して丁寧にカットしていく
断熱材のサイズを確認して丁寧にカットしていく

断熱材を受け取ったメンバーは、断熱材を壁と屋根にはめ込んでいきます。微妙にサイズが合わない・・・ということもあり、カットのし直しもありましたが、切断チームと施工チームが笑顔で情報を交換しながら作業します。

施工してみると微妙にサイズがあわないことも・・・・
施工してみると微妙にサイズがあわないことも・・・・
電動丸ノコを使って断熱材を素早くカット。大工さんがサポートしてくれます
電動丸ノコを使って断熱材を素早くカット

サポートしていただいた大工さんの指導を受けながら材木のカットもしていきます。プロの道具を借りて作業するうちに、コツがつかめてきたようです。参加者の方々もプロの大工さんから技術を教わることができ、お互い交流を楽しんでいるようでした。

壁や屋根の素材もサイズをはかってカット
壁や屋根の素材もサイズをはかってカット
壁にぴったりと施工した断熱材が暑さ、寒さを防ぐ
壁にぴったりと施工した断熱材が暑さ、寒さを防ぐ

トレーラーハウスでは、壁材の色塗りの作業も行いました。木目を活かしたカラーリングがおしゃれです。

小屋の壁材のカラーリング。自然な風合いを活かしている
小屋の壁材のカラーリング。自然な風合いを活かしている

断熱材のカット、施工作業のないチームは、屋根の下地の取り付けに進んでいきます。高所での作業なので安全帯をつけて、お互いに声をかけながら慎重に行います。

断熱材なしの小屋は一足先に屋根の取り付けに
断熱材なしの小屋は一足先に屋根の取り付けに

ここまでできたら、次は防水シートを施工していきます。よく建築中の物件などで巻かれているものですね!大きなホチキスのようなタッカーでとめていきます。

小屋に防水シートを巻きつけていく
小屋に防水シートを巻きつけていく

断熱材のないチームは屋根の取り付けに進みます。高所での作業も慣れてきましたが、慣れてきたところが危ないと、気を引き締めて行いました。

その後は、ドアや窓を取り付けます。かなり小屋らしくなってきました。

窓を取り付けた。小屋の完成形が見えてきた?
窓を取り付けた。小屋の完成形が見えてきた?
 ドアの施工。いざつけてみたら、入らずに材木をカットする一幕も
ドアの施工。いざつけてみたら、入らずに材木をカットする一幕も

外壁になる木材をとりつけていきます。

みんなで塗装しているこの板は間伐材の杉のフローリング
みんなで塗装しているこの板は間伐材の杉のフローリング
外壁にも杉の羽目板を施工です
外壁にも杉の羽目板を施工です

そしてこのあたりの作業でタイムアップ!残念ながら完成とはなりませんでしたが、セルフビルドの楽しさをしっかり感じてもらうことができました。

地元の境町の方も見学に来られました

このイベントは、快適空間ラボラトリーがある茨城県境町の観光協会の後援をいただいての開催となりました。2日目には、境町の議会、観光協会の方がワークショップの見学に来られました。

皆さんが楽しそうに作業する様子を見て、観光協会の方々も小屋作りに興味を持たれたようです。

後援いただいた茨城県境町の観光協会の方々も興味津々で見学されていました
後援いただいた茨城県境町の観光協会の方々も興味津々で見学されていました

まとめ:楽しいワークショップになりました

参加者約25名、スタッフを入れて総勢約50名で、2日間にわたって3棟の小屋作りにチャレンジした今回のワークショップ。2日間とも、好天に恵まれ、比較的暖かな日だったこともあり、順調に作業を進めることができました。完成には至りませんでしたが、作業終了時に、断熱材ありの小屋と断熱材なしの小屋で、暖かさに違いがあることを実感できました。

大工さん、エネルギーまちづくり社の社員の方々の適切な指導、リーダーシップもあり、参加メンバー全員が積極的に参加し、小屋作りの楽しさを発見できたようです。ご協力していただきました茨城県境町の観光協会、大工さんを派遣していただいた地元の新井建設工業、篠原工務店、主催していただきましたエネルギーまちづくり社の皆さまに感謝申し上げます。

小屋はこの後完成させて、このうちの2棟を快適ラボラトリー内で展示する予定です。断熱材のあり・なしで同じ設計、サイズの小屋でもどのくらいの室温差があるのかをリアルに体験できるようになります。お楽しみに!

* 「断熱タイニーハウスプロジェクト」は、これからの暮らしをもっと豊かにするきっかけをつくりたいという思いから、断熱された小さな家を建てることで、住まいを考える場をつくり、これからの暮らしについて発信していくことを目標として進められている活動です。

▼断熱タイニーハウスプロジェクト
https://dannetsutinyhousep.wixsite.com/dannnetsu-tiny

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