
「快適空間」体験ツアーを開催
2017年8月26日(土)、「快適空間」体験ツアーを実施し、約15名の一般の方にご参加いただきました。これは、「(家族の健康と快適な暮らしを実現したい女性のための)住まいフォーラムと『快適空間』体験ツアー(全2回)」の2回目「快適空間」体験ツアーとして開催したものです。1回目の住まいフォーラムは、7月22日に開催し早稲田大学の田辺新一先生の「冬暖かく、夏涼しい家で、省エネで快適に暮らす」という講演やあたたかい住まいづくりについてお話をさせて頂きました。2回目は実際に快適な空間を体験していただくために開催したツアーです。当日は東京駅からバスで、茨城県猿島郡境町陽光台にある 「快適空間ラボラトリー」 へ向かいました。
到着後、みんなで一緒にお弁当をいただき、一息ついてから、いよいよ体験ツアーの始まりです。

最初に、快適空間所所長の白石より、同研究所のミッションや活動内容、「あたたかい暮らし」を実現するための考え方などについて説明させていただきました。

展示棟で温熱環境や住まいづくりに必要な考え方について学ぶ
その後は、2つのグループに分かれて、「展示棟」、「体験棟」を交代で見学。
「展示棟」では、まずは日本の家の室温や快適の感じ方などについて解説。夏冬の家の快適な温熱環境の目安となる数値を紹介すると皆さん、「いわれてみれば、うちも冬はお風呂場が寒い」、「夏はエアコンをつけないといられない」とうなずかれていました。
「温熱性能ゾーン」の快適空間を作るための部材の展示では、断熱材や窓ガラス、サッシなどのサンプルを見ながら、素材による効果の違いについて学んでいきます。一般の方には、なじみの薄い部材ですが、自分の手で触れて体験することで、その効果を体感されているようでした。



一戸建ての建築を具体的に考えている方でさえ、見落としがちな断熱材の性能。「ネオマゾーン」では、ネオマフォームのサンプルを見ながら、ネオマフォームの高い性能について説明がされました。
エアコン1台で快適空間を実現する体験棟へ
一通り、快適空間を実現するための要素を学んだ後は、いよいよ「体験棟」へ。この日は外気温は30度を超える真夏日。建物の中に入ると、暑すぎず寒すぎないちょうどよい気温(27−28度)、さらっとした湿度(60−70%)にまずは驚かされます。しかも、この気温が家中ほぼ一定に保たれています。


秘密の1つが、吹き抜けの上に設けられたシーリングファン。効率的に冷気を家中に循環させていきます。

参加者から特に好評だったのが「屋根裏のエアコン室」。一般的な家庭用エアコン1台だけで、家中に冷気を送っていることを自分の目で見ることによって、その効率性を実感できたようです。具体的な質問も多く寄せられ、和気藹々とした見学となりました。

実物を体験することで初めてわかる快適空間
見学終了後、快適空間研究所の濱田より、快適空間によるライフスタイルの変化について紹介。部屋の中の温度差がなくなることで、毎日の生活のストレスが軽減されるということをいろいろな例とともに紹介しました。

その後、参加者の方に本日の感想やご意見をお伺いすると、参加者からは、「楽しく体験できた」、「住み替えを検討しているが、温度が一定なのは年をとったときにありがたいので、ぜひ取り入れたい」という意見がありました。
一方で、「単身世帯や夫婦だけの世帯など、小さいモデルもあると参考になる」、「北側が窓が少なく暗いのが気になった」、「建築コストが気になる」という意見も。
コストについては、快適空間研究所より「15年以上の長期で見ると、電気代などのランニングコストでお得になるという試算があります。温度変化のストレスがなくなり、使わない部屋がなくなることも大きなメリット」という説明がありました。
実際に快適空間を作るための仕組みを学び、それを体験することができた今回のツアー。参加者の方たちに、「自分の家だったら、どんな風に実現できるだろうか」と具体的に考えていただくきっかけになれば幸いです。