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熱交換換気:高断熱高気密住宅に欠かせない省エネ機器

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熱交換換気:高断熱高気密住宅に欠かせない省エネ機器

熱交換換気装置をご存じですか?聞き慣れない機器ですが、高断熱・高気密住宅には欠かせないものなのです。
どんな役割を果たしてくれるのか、建築家の御前好史さんに教えていただきました。

日本で熱交換換気装置が広まってきたのは、ここ10年くらいですね。私も10年ほど前から使い始めました。熱効率の良い快適な住宅の設計を目指していますが、そのためには家を高断熱・高気密にする必要があり、そうなるとこの熱交換換気装置が必要不可欠となるのです。

なぜなら、気密性の高い空間には換気が必要ですが、その換気を一般的な換気口や窓からとると、熱のロスがとても大きいからなんです。せっかく建物を熱効率のいい造りにしているのに、窓を開けてそのまま外気を入れてしまうと熱が逃げてしまい、快適性も奪われてしまいますし、冷暖房をたくさんしなければならなくなって、省エネどころか光熱費もかかってしまうからです。

熱交換換気装置は、熱交換によって外気を室内の温度に近づけてから内部に取り入れるので、熱を捨てずに新鮮な空気を入れられて、汚れた空気だけ排気することが可能となります。省エネになり、光熱費も減らせます。

一台で家全体の換気をコントロールすることも可能で、設計では効率のいい、運転音の気にならない、掃除のしやすい設置場所を考えます。住み手のメンテナンスは、フィルターの掃除のみです。メーカーにもよりますが、2、3ヵ月おきに掃除が必要となります。フィルターによって外気のほこりや花粉も取り除けますので、気持ちよく過ごせるようになると思います。
(みさき・よしふみ 談)

換気の種類 ※冬期

熱交換換気装置のメリット

外気を室内の温度に近づけてから内部に取り入れるので「快適」

外の空気を室内温度に近づけてから取り込むので、室内の温度ムラが起こらず快適です。

「省エネ」だから、「光熱費も削減」

冷暖房の稼働が少なくなり、省エネに。そして、光熱費も削減できます。

Q:熱交換って、どんなこと?

A
温度の高い方から低い方へ移動する熱の性質を利用して、暖かい熱と冷たい熱を入れ替えることです。例えば、スイカを氷水で冷やしたり、冷凍食品をお湯で解凍することも熱交換の仕組みを利用したものですね。

Q:熱交換換気装置って、どんな機器?

A
熱交換をしながら換気する機器です。熱交換するエレメント(素材は主に紙)を内部に備えていて、そこを外気が通ったときに熱が移動して、室温に近い温度になって出ていきます。排気はその逆となります。

エレメントの中を流れる冷気と暖気が交差するとで熱交換が行われる。
エレメントの中を流れる冷気と暖気が交差するとで熱交換が行われる。
解説/御前好史(一級建築士・みさき建築研究所代表)

「ネオマの家 IBARAKI SAKAI MODEL」で使用した熱交換換気装置

換気扇などファン製造を得意とするローヤル電機の住宅用・全熱交換型24 時間換気装置「SE シリーズ」。独自に開発された和紙のエレメントを搭載した熱交換装置によって、外気を室内の温湿度に近づけて室内に送り込んで換気します。

住宅用・全熱交換型 24 時間換気装置「SE シリーズ」
住宅用・全熱交換型 24時間換気装置「SE シリーズ」
[ローヤル電機]tel. 03-5424-1861 http://www.royal-elec.co.jp
床下に設置した「ネオマの家 IBARAKI SAKAI MODEL」の熱交換換気システム
床下に設置した「ネオマの家 IBARAKI SAKAI MODEL」の熱交換換気システム

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